ナカヤマン。
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ナカヤマン。(YAMAN NKYMN) | |
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| 職業 | marketing strategist/contemporary artist |
ナカヤマン。(1974年 - )は、京都とロサンゼルスを拠点に活動するmarketing strategist / contemporary artist。京都府京都市出身。海外では『YAMAN NKYMN』名義で活動する。[1]
神戸大学で化学を学んだ後、マーケティングストラテジストとしてのキャリアを開始し、ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチなどのファッション・ハウスをパートナーにグローバルに活動した。ストラテジックディレクターとしてアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(2021)の興行収入100億円達成に関わった。
現代美術では、茶事を通じて亭主と客の関係や時間を作品化するリレーショナル・アートを軸に、茶の湯、マンガ・アニメ、ストリートファッションを並置する。「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」を中核テーマとし、日本文化に内在するシンクレティズムや、主観的美意識が客観的美意識へ移行する過程を扱う。
Friezeは、ナカヤマン。の実践を、化学の原理に基づき、物質と社会の双方に作用する共通の法則―不可視な状態、関係性、相互作用、初期状態と平衡状態―を並置観察、並列類推することで文化を再コード化する実践と紹介している。[2]
2021年2月、京都の国宝・飛雲閣で個展を開催し、本格的に現代アーティストとしての活動を開始。2022年2月、国際的なアートフェア「Frieze Week Los Angeles」の公式プログラムに招致され、初個展からわずか1年でグローバルデビューを果たした。[3]
2023年11月、大徳寺 芳春院で個展を開催。茶事を引用したリレーショナル・アート作品を発表し、漫画家の荒木飛呂彦、現代アーティストのシアスター・ゲイツ、樂焼家元の十六代樂吉左衞門などが参加した[1]。翌2024年8月、森美術館で開催されたコラボレーションに参加。同年11月、海外初の個展をニューヨークのThe Mercerで開催し、2025年にも同会場で個展を開催した。[4][5]
2026年6月、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Met)で、海外の美術館では自身初となるプレゼンテーションを実施。同館が展覧会『The Infinite Artistry of Japanese Ceramics』に関連して開催した公式プログラムで、同館キュレーターのモニカ・ビンチク、十六代樂吉左衞門とともにアーティスト・トークに登壇した後、『蓮葉の 繁る池水 所無み 旅空なる 人が宿さず (NØT) FLASH』と題する献茶の儀を実践した。[6][5]
主な発表
2021
“陸奥の 安達原の 黒塚に 鬼籠もれりと 言うはまことか (UN)KEEPALL” — Installation / Filming — Hiunkaku, Nishi Hongwanji Temple, Kyoto, Japan
2022
Frieze Week Los Angeles — Public Screening — Rooftop in Downtown Los Angeles, USA
2023
“(跡見:) 追儺 黒節分 / (Atomi:) WHITE2BLACK” — Solo Exhibition — Hōshun-in, Daitokuji Temple, Kyoto, Japan
2024
“Beauty and Generosity between us, not division” — Theaster Gates × SABIÉ Collaboration — Mori Art Museum, Tokyo, Japan
“(跡見:) 黒節分 / (Atomi:) WHITE2BLACK ∈ DIVISION” — Solo Exhibition — The Mercer, New York, USA
2025
“一陽来復 / BLACK2WHITE ∈ NEWTYPE” — Solo Exhibition — The Mercer, New York, USA[5]
2026
“Curator and Artist Talk—The Infinite Artistry of Japanese Ceramics” — Official Public Program: Artist Talk and Presentation — The Metropolitan Museum of Art, New York, USA[6]
作品一覧
“POLYPTYCH - NOEL 2012” commissioned by CHANEL (2012)
“POLYPTYCH - NOEL 2013” commissioned by CHANEL (2013)
“GU TimeLine” commissioned by FAST RETAILING CO., LTD. (2014)
“POLYPTYCH - COCO SHOOT” commissioned by CHANEL (2015)
“From New York to Tokyo” commissioned by GUCCI (2015)
“LAST PHOTOBOOTH - LOUIS VUITTON × Jake & Dinos Chapman” commissioned by LOUIS VUITTON (2017)
“TAMBOUR HORIZON” commissioned by LOUIS VUITTON (2017)
“THE ARCADE” commissioned by COACH (2018)
“陸奥の 安達原の 黒塚に 鬼籠もれりと 言うはまことか (UN)KEEPALL” (2021)
“陸奥の 安達原の 黒塚に 鬼籠もれりと 言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0) 1.0” (2022)
“年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし WHITE2BLACK 11072023” (2023)[5]
“Beauty and Generosity between us, not division / 私たちの間にあるのは分断ではなく、美と寛容である” produced by 茶美会, in collaboration with Theaster Gates (2024)[7][5]
“年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし WHITE2BLACK 11062024” (2024)[4]
“冬の夜を ひとり寝覚に おきたれば おなじ心に 雁も啼くなり BLACK2WHITE 12222025” (2025)[5]
作品
陸奥の 安達原の 黒塚に 鬼籠もれりと 言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0) 1.0
2021年2月、京都・西本願寺の国宝・飛雲閣での展示直前、コロナ禍の緊急事態宣言を受けて当初の計画を変更。遠隔での上映・撮影とオンラインでの発信を模索した結果、予定していた「おに」の仏像彫刻を用いたフィジカル・インスタレーションを起点とした、映像によるグローバルなリモートかつオンラインなプロジェクトへと発展した。[5]
京都の展示を撮影した映像は、3月、東京・渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョン全面で上映され、その上映自体を撮影。京都と渋谷の記録を再度編集し、5月にはロックダウン下のパリ・エドワード7世劇場で上映と撮影。その記録を加えた映像を、7月、映画『キル・ビル』の撮影地であるロサンゼルスのアメリカン・セメント・ビルディングと、ロサンゼルス郡ハイ・ビスタの通称「キル・ビル・チャーチ」の二カ所で上映・撮影した。[3]
各地で発表した映像は作品であると同時に、コロナ禍の記録でもある。また、各地の上映は各時点における作品の発表であり、次の上映に取り込む場でもあった。この反復的、循環的な生成には、コロナウイルスと情報伝達の構造が重ねられている。2022年1月、五部構成の映像作品として発表された。[2]
中核テーマは「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」。厄災をもたらすものとして恐れられ、同時に厄災消除を願って祀られてきた「おに」を、他者やマイノリティに与えられる定義のメタファーとして扱う。[2]作品は歪曲を一義に善悪のどちらかへ定めず、誰が、何を、どのような意図で伝えるのかを問う。「おに」の存在は、時間とともに歪曲が沈着し、伝えられた像が自明のものとなっていく過程を示し、ギリシャのダイモーンにも重ねることで、同時多発的に起こる現象として提示。パンデミック下の反アジア系ヘイトと接続することで、マイノリティ・イシューに関する多面的な視点を示した。[3]
年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし WHITE2BLACK 11072023 [5]
2023年10月31日から11月8日まで、京都・大徳寺 芳春院で発表された、茶事を引用したリレーショナル・アート作品。茶事『追儺 黒節分 / WHITE2BLACK』は10月31日、11月4日、11月7日に各日3人を招く完全招待制で実施。展示『跡見: 追儺 黒節分 / Atomi: WHITE2BLACK』は、茶事の「跡見」を引用し、11月3日、5日、8日に各日27人限定の完全予約制で実施された。各茶事の正客は、現代アーティストのシアスター・ゲイツ、漫画家の荒木飛呂彦、樂焼家元の十六代樂吉左衞門が務めた。
題名には平安時代の歌人・賀茂保憲女の和歌を用い、客観的な共通概念としての「おに」と、主観的な個別の概念としての「心の鬼」を重ねている。[1]中核テーマは「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」。ナカヤマン。は「歪曲」を善悪両義で扱う。情報は伝達された時点で何らかの歪曲を含み、それが時間とともに沈着することで「史実」と「正史」の判別が困難になると捉える。そこに勝者、権力者、体制=マジョリティの意志が介在する可能性を問い、その問いに約450年にわたり伝達・継承されてきた「千利休の茶」を重ねた。
更に千利休に重なるものとして「おに」「菅原道真」「鉄腕アトム」を引用し、いずれも「まつろわぬもの」として接続した。また、国外の構造言語を持つ触媒として1999年の米国映画『アメリカン・ビューティー』を引用。同作を「アメリカ人なりの侘び寂びを見いだし、主人公が解脱した瞬間に世界と決別する物語」と解釈し重ねている。
待合では『(UN)KEEPALL』で用いた2メートル超の「おに」の仏像彫刻を、薄茶席にはアニメ『鉄腕アトム』のセル画と子ども用のご飯茶碗を展示。ナカヤマン。は、感情を持ちながらロボット三原則のもとで人間と同等に競うことも争うことも許されず、差別を受けるアトムを「まつろわぬもの」と捉えた。セル画と茶碗は以後の作品にも用いられている。
年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし WHITE2BLACK 11062024 [4]
2024年11月6日から9日まで、ニューヨークのThe Mercerで発表された、茶事を引用したリレーショナル・アート作品。茶事『黒節分 / WHITE2BLACK ∈ DIVISION』は11月6日から8日まで、各日3人を招く完全招待制で実施。展示『跡見: 黒節分 / Atomi: WHITE2BLACK ∈ DIVISION』は、茶事の「跡見」を引用し、11月9日に81人限定の完全予約制で実施された。
「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」を継続し、茶の湯文化とアニメ文化を並置観察して、文化の栄枯盛衰における主観的美意識から客観的美意識への転換に焦点を当てた。
ナカヤマン。は、茶の湯文化が千利休の主観的美意識によって成熟し、利休百年忌を境に「利休ならどう考えたか」を問う客観的美意識へ転換したと捉える。一方、社会から切り離されて形成されたアニメ文化の主観的美意識は、1989年の宮﨑勤事件を機に社会との分断を深め、その状況を打開するものとして『新世紀エヴァンゲリオン』が生まれ、以降グローバルなニッチ・マス・コンテンツとして客観的美意識へ転換したと見立てた。その上で、現代の茶の湯文化とアニメ文化は、履修可能な「型」にすぎないのではないかと問う。
神道的な世界観を用い、懐石料理、濃茶、薄茶からなる3時間半の茶事によって、失われた主観的美意識の疑似体験を試みた。触媒として、1999年の米国映画『アメリカン・ビューティー』、1990年代の『美少女戦士セーラームーンS』『新世紀エヴァンゲリオン』、マルタン・マルジェラの1990年春夏コレクションなど、リレーショナル・アートが活発だった時代の要素を引用した。
冬の夜を ひとり寝覚に おきたれば おなじ心に 雁も啼くなり BLACK2WHITE 12222025 [5]
2025年12月13日から15日まで、ニューヨークのThe Mercerで発表された、茶事を引用したリレーショナル・アート作品。茶事であり個展でもある『一陽来復 / BLACK2WHITE ∈ NEWTYPE』で披露され、3日間にわたり各日3人を招く完全招待制で実施された。従来の茶事構成に加え、新たにポエトリー・リーディングを導入した。
「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」を継続し、茶の湯文化とアニメ文化を並置観察して、近世と近代に通底する日本文化の生成モデルとして「原初的シンクレティズム」を提示。ポストコロニアル文脈のシンクレティズムと比較しながら、異質な要素の共存を可能にする構造が、現代社会を駆動する拡大主義・効率主義によって上書き・消去される可能性を問う。
その例としてナカヤマン。は、4世紀末以前のローマ帝国では、多神教的世界観のもとで被支配地域の宗教・文化がシンクレティックに併存していた一方、帝国の拡大と効率的統治の要請が、やがて宗教的・文化的統一への圧力を生んだと捉え、シンクレティズムの豊かさと非効率性を対置した。
茶の湯を宗教的・文化的シンクレティズムの結晶と捉え、千利休の主観的美意識によるシンクレティックな編集をその起点に位置づける。茶事を、現代社会が失いつつある複数性と非効率性を映し出す装置として用いた。
同じくシンクレティズムによって形成されたとするアニメ文化から『機動戦士ガンダム』を引用。「ニュータイプ」を拡大主義・効率主義による均質化への対抗鏡像として、社会がマイノリティを定義・排除し、あるいは未来の可能性として回収する構造を示した。
蓮葉の 繁る池水 所無み 旅空なる 人が宿さず (NØT) FLASH
参加作品
Beauty and Generosity between us, not division / 私たちの間にあるのは分断ではなく、美と寛容である [7]
2024年8月6日、森美術館『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』の会場および特設会場で発表された、茶美会とシアスター・ゲイツのコラボレーションによるリレーショナル・アート作品。ナカヤマン。は企画を担当し、ゲイツ、茶美会主宰の伊住禮次朗とともに亭主を務めた。
展覧会の展示構成と作品を活用し、茶事の流儀に即して「待合」「献茶」「迎付」「懐石」「茶席」の順に展開。迎付では、亭主の1人であるゲイツが展示のDJブースを用いて客をもてなした。
茶席では「分断」を「美」と「寛容」に変換するというコンセプトのもと、亭主3人、客9人が互いのために茶を点て合い、亭主と客の境界の消失を試みた。
関連作品
THE ULTIMATE OTHER [3]
2022年5月5日にFrieze.comで公開された、ナカヤマン。の作品『陸奥の 安達原の 黒塚に 鬼籠もれりと 言うはまことか (UN)KEEPALL (1.0: 1.0, 1.0, 1.0, 1.0) 1.0』の制作過程を追うFrieze Studios制作の短編映画。[3]
ナカヤマン。のほか、女優の岡本多緒、モデルのフェルナンダ・リー、ギャラリストのキブン・キム、西本願寺執行長の武田昭英が出演。コロナ禍の米国で高まった反アジアン・ヘイトの文脈から、『(UN)KEEPALL』とその主題であるマイノリティ・イシューを掘り下げている。[3]
ナカヤマン。は、日本の民間伝承における「おに」が「疫病そのもの」と「疫病を退けるもの」という両義を持つ点に注目し、人間によって歪曲され、都合よく利用される弱者の定義に重ねる。さらに、アジア系米国人がマイノリティである一方、「モデル・マイノリティ」とみなされながらスケープゴート化される矛盾を、パンデミック下の反アジアン・ヘイトに接続した。
また、自身の作品を物質ではなく「儀式」と捉え、慶派の仏像彫刻、国宝・飛雲閣、タイトルに用いられた平安時代の和歌を、その儀式を本物にする要素に位置づけた。クエンティン・タランティーノの映画『キル・ビル』を西洋の視点によるアジア文化の表象としつつ、タランティーノのオタクとしての愛が差別性を回避する可能性にも言及している。岡本は差別を「愛と恐怖の天秤が恐怖に傾いた状態」と表現し、キムとリーは、米国社会におけるアジア人とその文化の価値、マジョリティがその文化や構造まで取り込もうとする構造を語る。
来歴
初期活動・マーケティング
1974年、京都府京都市生まれ。洛南高等学校を経て神戸大学工学部応用化学科を卒業。メーカーの商品企画部に勤務し、ブランドマネージャーを兼務する傍ら、グロービス・マネジメント・スクールで指定科目を修了し、VJとしても活動した。2005年、30歳で独立。独立後半年間は月収5万円だった。[8]
2007年、ファッション領域に特化したデジタル・エージェンシー「ドレスイング」を設立し、2017年まで代表を務めた。2008年にソーシャルメディア・コンサルティングを開始し、マークスタイラー、ワールド、三陽商会などをクライアントとした。2011年にはソフトバンクアカデミアに外部一期生として参画し、孫正義に師事した。[9][10]
2012年、コンテンツ制作へ移行し、海外ラグジュアリーブランドを中心にコミッションワークを手がけた。広告代理店を介さず、クライアントと直接契約・協働する形態を採った。ファーストリテイリングの「GU TimeLine」では企画・制作と2年半の運用に携わり、GUのオンライン売上全体の2割を占めるまでに成長させた。2016年、単一の中核コンテンツを複数のチャネルへ最適化して展開する戦略モデル「Single, Powerful Content for Multiple Channel」をDECODED FASHION TOKYOで発表した。[11][8][12]
2017年、ロサンゼルスにscreamlouder Inc.(株式会社スクリイム・ラウダア)を設立。自身のプロジェクトでは街頭ビジョン、雑誌タイアップ、テレビ番組の制作も手がけ、ソーシャルメディアを用いたプロモーションの企画者として活躍。WWD JAPANでは「SNS戦略のトップランナー」「デジタル施策の第一人者」と評された。[9][13]
2019年、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』にストラテジストとして参画。2020年、庵野秀明と株式会社 八万・能を設立し、共同代表を務めた。同作は2021年7月、シリーズ前作の約2倍となる興行収入100億円を突破し、エヴァンゲリオンシリーズおよび庵野秀明監督作品で初の記録となった。庵野は100億円を突破した6人目の邦画監督となり、共同配給した東映にとっても初の100億円突破作品となった。[14][15][16][17]
現代美術家として
本格的な作家活動に先立ち、2015年から2017年にかけて、『VOGUE JAPAN』にDismaland、ヴェネチア・ビエンナーレ、ドクメンタ14の現地レポートを寄稿した。
2021年2月、国宝・飛雲閣で初個展を開催し、本格的に現代アーティストとしての活動を開始した。同作は西本願寺、慶派を継ぐ大佛師・松本明慶、手塚プロダクションとの協働で制作され、荒木飛呂彦、安野モヨコ、石原仁司、吉武正博、松浦美穂、千住明、大沢伸一らによる作品評が公開された。[18]
同作を映像化し、緊急事態宣言下の渋谷スクランブル交差点のデジタルビルボード、ロックダウン下のパリ・エドワード七世劇場、さらに映画『キル・ビル』のロケ地であるロサンゼルスのアメリカン・セメント・ビルディングと、ロサンゼルス郡ハイ・ビスタの通称「キル・ビル・チャーチ」で、上映と撮影を重ねた。2022年1月、一連のパブリック・アクティベーションを編集した映像作品を発表。翌月、Frieze Week Los Angelesの公式プログラムで同作を上映し、ウエストハリウッドのシャトー・マーモントでは、三十六歌仙にちなむ36人限定の上映会とFrieze主催のプレミアディナーを開催した。[19]
2022年11月、日本の茶の湯文化を引用した習作『年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし WHITE-TO-BLACK 11062022』を発表。
2023年2月、1992年に茶道裏千家15代家元・鵬雲斎の次男、伊住政和が創設した、茶の湯文化を現代において検証し、その本質を伝える文化活動体『茶美会』のクリエイティブディレクターに就任した。[20]
2023年10月から11月にかけて、大徳寺 芳春院で個展を開催し、前年の習作を、茶事とその痕跡を公開する「跡見」から成るリレーショナル・アートへ発展させた。初代長次郎とノンコウの黒茶碗、手塚治虫原作『鉄腕アトム』のセル画などを用いた。[1]
芳春院での個展へのシアスター・ゲイツの参加を契機に、2024年8月、森美術館『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』の会場で、茶美会とゲイツによるコラボレーションが実現した。ナカヤマン。は企画と亭主を担った。[7]
同年11月、The Mercerで海外初の個展を開催。京都で構築した茶事と跡見の二層構造をニューヨークへ移し、茶の湯文化とアニメ文化における主観的美意識から客観的美意識への転換と、そこに生じる分断を主題とした。[4]
2025年12月、同会場での個展では、前年までのWHITE2BLACKをBLACK2WHITEへ反転させ、跡見を設けない完全招待制の茶事にポエトリー・リーディングを導入した。「情報伝達と、その(沈着した)歪曲」を維持しつつ、主題を日本文化の生成モデルとしての「原初的シンクレティズム」と、拡大・効率化の過程で失われる複数性へ広げた。[5]
2026年6月7日、その実践をメトロポリタン美術館(The Met)へ展開した。同館の公式プログラム『Curator and Artist Talk—The Infinite Artistry of Japanese Ceramics』に登壇し、茶の湯、アニメ、ストリートファッションの視点から、日本文化に共通する文化生成モデルと、茶の湯の現代的受容について講演。プログラムの最後に、これまでのリレーショナル・アートの実践を継承するものとして献茶の儀を行った。[5][6]
出演・講演・寄稿
テレビ出演
講演
- DECODED FASHION TOKYO — 東京アメリカンクラブ — 2016[12]
- Curator and Artist Talk—The Infinite Artistry of Japanese Ceramics — メトロポリタン美術館 — 2026[6]
寄稿
- バンクシーの「Dismaland」に訪れた、ナカヤマン。によるスペシャルレポート! — VOGUE JAPAN — 2015
- 開催中のヴェネチア・ビエンナーレ、今年のみどころを早速レポート。 — VOGUE JAPAN — 2017
- ダミアン・ハーストの“虚構”から何を感じるか? ヴェネチア・ビエンナーレをナカヤマン。が行く。 — VOGUE JAPAN — 2017
- 5年に一度の「ドクメンタ14」から見えた、魅力的作品とギリシャの現実。 — VOGUE JAPAN — 2017
- ナカヤマン。が追跡する2度目の“Banksy Does New York” — FAST GROW — 2018
脚注
- ^ a b c d TEAM, TOKION EDITORIAL (2023年12月22日). “現代アーティスト・ナカヤマン。インタヴュー Vol.1 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報. 2024年4月12日閲覧。
- ^ a b c “From Kyoto to ‘Kill Bill’, YAMAN’s ‘(UN)KEEPALL’ Examines Cultural Transmission as Distortion | Frieze” (英語). www.frieze.com. 2022年5月9日閲覧。
- ^ a b c d e f “‘The Ultimate Other’: Art Against a Rising Wave of Anti-Asian Hate | Frieze” (英語). www.frieze.com. 2022年5月9日閲覧。
- ^ a b c d “茶の湯を現代に接続する現代美術家ナカヤマン。の試みTHE CONCEPT spin-off|THE KYOTO|京都新聞”. THE KYOTO. 2025年2月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 大塚葉 (2026年8月18日). “現代美術家ナカヤマン。 茶の湯を現代アートで再構築”. 日経BOOKプラス. 2026年9月7日閲覧。
- ^ a b c d e “Curator and Artist Talk—The Infinite Artistry of Japanese Ceramics” (英語). The Metropolitan Museum of Art (2026年6月7日). 2026年9月7日閲覧。
- ^ a b c ““茶会”であり“リレーショナルアート”。森美術館で行われたシアスター・ゲイツのクローズドイベントをレポート”. Tokyo Art Beat. 2025年2月25日閲覧。
- ^ a b ルイ・ヴィトンやグッチ、GUの仕掛け人が語る「SNS戦略に悩む時点で周回遅れ」 ビジネス+IT 2017年2月6日
- ^ a b “SNS戦略のトップランナー、ナカヤマン。が語る「インフルエンサー時代」の未来”. WWDJAPAN (2017年6月6日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ ビジネスリーダーが描く、キャリアとビジネス 第2回「好きなことしかやらない。」 ALPS CAREER 2018年6月6日閲覧
- ^ “【ナカヤマン。独占インタビュー】デジタル施策のトップランナーとしてad:tech登壇決定。ファッション業界から初のキーノート・スピーチ選出。| vol.2 - TERMINAL MAGAZINE(ターミナルマガジン)”. TERMINAL MAGAZINE. 2021年12月18日閲覧。
- ^ a b 【レポート】“SNS 戦略最前線”では何が起きているのか? −「Decoded Fashion Tokyo summit 2016」を振り返る DiFa 2016年12月5日
- ^ 世界ブランドが受け入れた日本人クリエイターの思考とは。ナカヤマン。×川添隆が語るデジタル戦略の本質 FASTGROW 2017年12月19日
- ^ “マーケター、現代アーティストのナカヤマン。が、世界巡回展の第3弾をパリで開催 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 (2021年5月19日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ “『シン・エヴァ』興収102.2億円突破で終映 有終の美に公式「本当にありがとうございました!!」”. ORICON NEWS. 2021年12月20日閲覧。
- ^ “https://x.com/TOEI_PR/status/1414857156168351744”. Twitter. 2022年5月9日閲覧。
- ^ “エヴァンゲリオン公式サイト News”. www.evangelion.jp (2021年7月13日). 2025年6月24日閲覧。
- ^ “「LV」などのデジタル施策を手掛けたナカヤマン。が巡回展 東京や京都で”. WWDJAPAN (2021年2月15日). 2022年12月12日閲覧。
- ^ “現代アーティストのナカヤマン。が米国でパンデミックとアジアン・ヘイトを題材に作品を発表” (ja>ADF). ADFウェブマガジン|ADF Web Magazine (2022年3月7日). 2022年12月17日閲覧。
- ^ TEAM, TOKION EDITORIAL (2023年2月28日). “現代芸術家・ナカヤマン。と「茶美会文化研究所」二代主宰・伊住禮次朗が共同で茶懐石を元にしたパフォーマンスアートを発表 - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報. 2023年3月3日閲覧。
- ^ インスタグラム×ファッション!世界が認めた日本人プロデューサー SENSORS 2015年10月9日
- ^ AD:TECH KANSAI KEYNOTEレポート(2)ワコール 猪熊敏博氏・スクリイム・ラウダア ナカヤマン。氏 TECHWAVE.jp 2017年8月2日
- ^ NewsPicksプロピッカーが語る最先端 第1回「SNSとデジタル戦略」 academyhills 2018年1月15日
- ^ 売上とブランディング、SNSで二兎を得るデジタル戦略 FASHION WORLD TOKYO 2018年4月4日
外部リンク
- YAMAN NKYMN official website
- YAMAN — Frieze
- YAMAN NKYMN Artist Bio — The Metropolitan Museum of Art
- ナカヤマン。 (@nkymn) — Instagram
- ナカヤマン。 (@nkymn) — YouTube
